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失くして分かった、合鍵はやっぱ作っておいたほうがいい

ai_kagi親に頼み込んでやっとこの春から一人暮らしを始めた私にとって、それは最初の試練でした。
キャンパスライフを始めてすぐに、私はテニスサークルに入りました。なにか楽しいことが待っていそうだなんて、漠然とした期待を抱いていましたが、広くて浅い交友関係が出来上がっただけで、あまり有意義とはいえなかったように思います。
まあそれでも何人か仲の良い友達も出来たので、それなりに楽しくやってはいたのですか、そんなある日、事件が起こりました。

その日は花見がてらの飲み会というやつで、結構な人数が集まって、大学の近所の花見の名所に繰り出していました。私は場所取りに駆り出されて、その後は買い出し班でした。飲んで騒いで、それでもなんとか終電に乗って自宅アパートに到着したのですが、そこでカギがないことに気がついたのです。
最初の5分間は思考が停止してしまい、その後なぜか、親にバレたら実家に連れ戻されるだろうなと思いました。
さんざん考えましたが、どこで失くしたのか検討もつきません。しかもアパートのまわりは薄暗くて雰囲気も良くないので、いつまでも若い女性がたたずんでいるわけにもいきません。
しかたなく一晩泊めてもらえるよう交渉しようと、友人に電話をかけましたが、「どこで失くしたのか?」とか「何やってるんだ」とか「明日早いから寝る」など、およそ親身になって心配してくれる人はいませんでした。

そんななか一人だけ、わたしを心配してくれたのが、後輩の男の子でした。わたしが電話した友人と飲んでいたらしく、タクシーでアパートまで来てくれたのです。彼は自分も男の一人暮らしだから泊めてあげることはできないが、近くのファミレスまで送ってくれました。そこで始めて「合鍵」は無いのかと聞かれたのです。勿論、あればとっくに使っています。どこで失くしたのか分かっていれば拾いにいきます。でも、そのときはなぜか素直に「今度合鍵作ろう」と思えました。